熱海を訪れるお客様の多様なニーズにお応えする熱海観光業界の一翼を担いたい

株式会社モデストスマイルは、1806年の創業以来、200年以上にわたり熱海で旅館業を続けている古屋旅館の十七代目である内田宗一郎が立ち上げた企業です。老舗旅館の経営と並行して、熱海のまちづくりにも主体者のひとりとして積極的に関わってきた中で、熱海に訪れる年間315万人ものお客様の多様なニーズにお応えする一翼を担いたいという想いで創業しました。
古屋旅館は、歴史の長い老舗旅館ではありますが、客室改装や最新のITツールの導入などを積極的に行っており、「家業ではなく企業を経営する」というポリシーで運営している会社です。こうした取り組みを続ける中で、古屋旅館は毎年お越しいただくお客様から一定のご評価を頂くようになりました。
一方で、日々旅館経営に真剣に向かい合う傍ら、私の中で「旅館で培ったおもてなしの技術や食材に対する思いを、旅館とは違う、別のかたちで世の中に価値提供できないかという想いが芽生え、日を追うごとに大きくなっていきました。こうした想いが、株式会社モデストスマイルを立ち上げたきっかけです。下記に、株式会社モデストスマイルを立ち上げるに至った経緯をまとめさせていただきました。この内容が当社にご興味を持ってくださった求職中の方に、ほんの少しでも当社を知って頂くきっかけになれば幸いです。

熱海市のプロモーション戦略と連動した、旅館組合青年部長、熱海市観光協会副会長としての取り組み

現在では年間315万人もの方が訪れる熱海ですが、かつては2011年の東日本大震災の影響などもあり、熱海を訪れる方が年間247万人にまで激減した時期がありました。当時、こうした状況を打開すべく、熱海市ではメディア露出を増やすためのプロモーション戦略を強化する方針に転換しました。具体的には、20代30代をターゲットにした媒体を発行したり、「ADさん、いらっしゃい！」と銘打った事業を立ち上げ、市職員が映画やドラマ、バラエティー番組の撮影などを全面的にサポートする体制を整えるなど、それまでにない斬新な戦略を計画的に実行しました。また、地元熱海にUターンしてきた若者が、熱海銀座通りを中心として市内の有休不動産をリノベーションし、クリエイティブで若い方が集う場所作りを開始しました。複合的なそれらの活動が奏功し、熱海復活の大きなきっかけとなったと感じています。
2011年以降、熱海市が打ち出したプロモーション戦略を踏まえ、旅館経営と並行して観光協会や旅館組合の青年部長を兼務していた立場から、熱海をより一層盛り上げるため、旅館や商店街の仲間たちと共に、知恵を絞りあらゆる取り組みを行ってまいりました。
時には、本業である古屋旅館の仕事に費やす時間よりも、街づくりや旅館業界のための活動に費やす時間が長い時もあり、関係者と朝まで議論を戦わせたことも何度もありました。

熱海と共に200年以上歩んできた老舗旅館17代目の挑戦

熱海の観光が好調になり、この間に私が経営する古屋旅館も、現状に満足することなく「接客マニュアルの整備／動画の活用」や「施設のリニューアル」などを積極的に行い、また集客の強化のためWEBマーケティングを戦略的に行うなど、業務改革を進めることで売上・利益の最大化を図ってまいりました。その結果、旅館経営においては、以前と比べて非常に効率化が図れたと思えるレベルにすることができたと感じています。
一方で、日本国内では2020年3月頃から新型コロナウイルスの流行が広がり、熱海においても大きな影響がありましたが、そのような中2020年6月に熱海復活のきっかけであり象徴でもある「熱海銀座商店街からうれしい話が舞い込んできました。それは、「一時期20店舗もの空きスペースが出来てしまった商店街が、あと1店舗ですべてのスペースが埋まるというところまで来た」というニュースでした。このニュースを聞いて、これまでは「熱海銀座商店街の活性化については、間接的に応援することが多かった立場ですが、商店街の一店舗を担いたいという出店意欲が高まり、すぐに取り扱いの不動産屋様にご連絡をさせていただき、幸運にも契約することができました。大変な人気物件になるはずのところオーナー様から「収益うんぬんではなく、銀座通りを発展させる意思のある、信頼できる人に借りて欲しかった。古屋旅館さんなら喜んで貸します。
との言葉を頂くことができました。これにより、熱海銀座商店街の活性化の一翼を担うチャンスを得ることができました。

熱海でお客様が午後のひと時を過ごす場の提供を目指して

熱海には年間315万人もの方が、観光やレジャーを楽しみにいらっしゃいます。年齢層も10代の方から70代の方まで非常に幅広く、皆様それぞれに熱海市内で観光を楽しまれます。そのため、多様なニーズを満たすためには、従来のサービスではまだ十分と言い切れない状況にあります。熱海は、都心から新幹線で40分と非常にアクセスしやすい立地のため、今後も熱海を訪れる方々は一定レベルで推移するか、増加することが見込まれます。そのような状況の中で、熱海の「街としての魅力をより引き上げることは非常に重要であると、私は考えています。
特に、直近の課題として言えるのは、幅広い年齢層の多くの方が熱海の街を新幹線や電車、車などでいらっしゃることで、午後のひと時を過ごす場所が不足しがちになる傾向にあるということです。この課題を解決することは、熱海を訪れた方々に満足していただくためにも必要不可欠なことではないかと考えております。こうした背景があり、この度、付加価値の高いスイーツやフードサービスをご提供することを目的に株式会社モデストスマイルを設立しました。私たちは、世の中に新しい価値と喜びを創造してまいりたいと考えております。

株式会社モデストスマイル　
代表取締役　内田宗一郎